「英語耳」とは英語を聞き取れる耳のことです。

子どもに英語で苦労させたくない、いつまでに英語の勉強を始めたらいいの?
そう思っている保護者の方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、2025年現在は、英語耳を育てるには遅くても17歳ごろまで、と言われています。
本記事ではその理由や実際の英語耳の育て方。またそのおすすめツールやサービスを紹介します。子どもの英語学習に関して悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
英語耳を育てるには10歳まで
英語耳とは英語独特のイントネーションや発音を聞き取れる能力を指します。一般的に英語を学習するのは早ければ早い方が良いと言われるのは、この英語耳の成長が関係しているからです。
母語話者レベルの英語耳の発達は10歳まで
母語の習得は、
- 周囲の人の言葉を聞く
- 周囲の人の言葉を真似て話す
- 本など文字に触れて読む
- 文字を学習して書く
の順番で行われます。この順序は母語が何語であっても同じです。
この順序で2つの言語を習得した人のことを、バイリンガルとも呼びます。
バイリンガルになるための英語教育は、10歳ごろが1つの目安です。それまでに日本語と同じ程度の時間、英語の音に触れる必要があります。
第二言語としての能力は17.4歳まで
10歳を過ぎてしまったら英語耳は育たないのか。その答えは「No」です。
母語話者レベルの英語耳はむずかしくとも、第二言語として英語を使いこなせるレベルにするには17.4歳が学習能力のピークだという論文があります。
Though the ELSD model is necessarily simplified, the good fit between model and data, and the poorer fit by reasonable alternatives, offers good support for the existence of a critical period for language acquisition, and suggests that our estimate of when the learning rate declines (17.4 years old) is likely to be reasonably accurate.
引用元:PMC|A critical period for second language acquisition: Evidence from 2/3 million English speakers(Hartshorne, Tenenbaum, & Pinker, 2018)(最終閲覧日2025年5月27日)
上記の論文は2018年臨界期の存在と、その範囲を確認するべく大規模な調査を行い、それをもとに書かれたものです。
第二言語としての英語には、なまりやイントネーションなどに母語の影響が出ると言われています。しかしビジネスやプライベートな会話をするにあたっては、問題なく使いこなせるレベルの英語は習得できるので、10歳を過ぎたからと言ってあきらめる必要はありません。
英語耳を育てる方法8選

では、これから子供に英語耳を身に付けさせたいときは、どのような方法があるでしょうか。以下では日本国内にいながらも、英語耳を育てられる方法を8つ紹介します。
それぞれのご家庭の環境に合わせて、導入できるものを探してみてください。
オンライン英会話でネイティブと話す
英語耳を育てるには、ネイティブスピーカーの話す言葉にたくさん触れることが重要です。オンライン英会話教室では、現地にいるネイティブスピーカーから英語が学べるカリキュラムを組んでいることが多く、日本にいながらも現地の生きた英語を聞くことができます。
オンライン英会話を検討する際は、ぜひネイティブスピーカーやバイリンガルの日本人講師がいるサービスを探してください。
特に以下の3つのサービスがおすすめです。
英会話教室に通う
英会話教室、特にネイティブスピーカーが授業を担っている教室へ通い、英語に触れる時間を増やしましょう。
週1回60分だけでは英語耳を養うのに十分とは言えませんが、まずは英語への苦手意識を持たず、英語学習への興味を引くきっかけになります。
英語耳を育てるという面では、家庭学習教材などと併用することで、英語に触れる時間を毎日確保することが重要です。
フォニックスを学習する
フォニックスとは英語のスペルと音のルールを学ぶことで、正しく英語を読めるようにする学習方法です。アルファベット一つひとつの音を丁寧に学習できるので、日本語にない音の学習に役立ちます。
日本人が苦手とされている「L」と「R」の発音などを、フォニックスの知識でカバーできるでしょう。
インターナショナルスクールに通う
インターナショナルスクールとは、外国籍の子供たちと日本国籍の子供たちが、1つの学校に集まり、英語などの外国語で授業を行っている学校のことです。日本国内でも注目度が高く、英語の習得を目的としてインターナショナルスクールに通う方も増えています。
幼稚園に該当する施設もあるので、幼児期から通うことも可能です。日本国内にいながら、留学したような環境下で英語を学ばせたいと言う人にはおすすめ。
日本の教育機関とは環境や費用が異なるため、学校選びには充分気を配りましょう。
英語の歌を歌う
英語の歌は子どもの英語教育の入口としてよく使用されます。英語学習に興味がない子どもでも、歌ったりダンスをすることで興味を持たせられるでしょう。
日本語verを既に知っている曲から導入すると、よりわかりやすいのではないでしょうか。
ネイティブスピーカーと触れ合う
知り合いや、ご近所にネイティブスピーカーがいる場合は、その方に積極的に話しかけに行くと良いでしょう。学校や幼稚園に来る英語講師(ALT)も英語学習のチャンスです。
いきなり子どもだけでは抵抗がある子も多いので、保護者の方と一緒にコミュニティを作っていけると良いですね。
YoutubeやDVD・TVで英語に親しむ
YouTubeの子供向け英語番組や、海外の子供向けアニメのDVD、テレビ番組などを見ましょう。リビングでほかの遊びをしているときに、テレビでかけ流しておくだけでも効果的です。
わざわざDVDのレンタルをしなくても、ディズニーチャンネルやNHKの副音声を利用すると良いでしょう。Netflixなどの配信サイトにも複数の番組があります。
家庭用英語学習教材を購入する
早期英語教育が注目されている昨今。家庭用英語教材も充実してきています。有名なものでいくと、「ディズニー英語システム (DWE)」などが該当します。
ただディズニーの教材はサポートや内容が充実している一方、高額で手が出せないと思ってあきらめた方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事でおすすめしたい家庭用教材が「小学生、幼児のオンライン英語『MOCOMOCO ENGLiSH』
」。
月額料金で利用できる家庭用英語学習サービスです。
買い切りの教材とは異なり、「合わなければすぐに辞められる」ことが魅力ですね。お子さんに内容があっていれば、アニメやゲームなどを通して自主的に英語に触れ合ってくれるでしょう。
英語耳を育てるのがむずかしい理由|日本人は聞き取りが苦手
そもそもなぜ英語耳を育てる必要性があるのでしょうか。
日本では英語を小学生のうちから学校で学習するにも関わらず、リスニングやスピーキングを苦手とする人が多くいます。なぜ英語の聞き取りがむずかしいのか、その理由は日本語と英語の特徴の違いがあります。
英語と日本語は音の数が違う
日本語と英語は音の数が違います。その数は数え方によって諸説ありますが、英語発音矯正スクールSpeakでは以下のように言及されています。
日本語の母音の数は、あいうえおの5個である。他方でアメリカ英語は21個、イギリス英議は19個とされる。
引用元:Speak|英語発音と日本語発音の4つの違い(最終閲覧日2025年5月29日)
子音を入れると英語の数は1800を超えるという説もあります。日本語には50程度しかないため、日本語にはない音が英語にはたくさん含まれており、それらを聞き取らなければならない英語の聞き取りはむずかしいということなのです。
英語と日本語は周波数が違う
言語にはそれぞれ周波数がありますが、日本語と英語では大きくずれがあります。英語学習教材を作成している七田式の公式サイトには以下のように言及されています。
日本語の周波数が125〜1,500ヘルツなのに対し、英語の周波数は2,000~12、000ヘルツ。
引用元:七田式オフィシャルストア|よくある質問(最終閲覧日2025年5月29日)
人間は生まれた時は低音から高音まで幅広い音域を聞き取れるといわれていますが、徐々に使用しない音域の聞き取りはむずかしくなっていきます。
日本語だけ聞いていると英語の音域は聞き取りづらくなっていくので、英語の聞き取りは年々むずかしくなってしまうのです。
英語と日本語は文法構造が異なる
中学校で英語を習う際、「SVO」「SVOC」などの文系を学習した覚えがある人は多いのではないでしょうか。
英語は
I speak English.
のように主語(I)のあとにすぐ動詞「speak」がきます。
日本語は
私は英語を話します。
のように文の最後に動詞が来ますよね。日本語の語順で聞き取り、理解することに慣れている日本人にとって、英語の語順に慣れることは容易ではありません。
このような文法構造の違いが聞き取りに影響を与えています。
英語を耳にする機会が少ない
- 音の種類の違い
- 音域の違い
- 文法構造の違い
これらが影響していたとしても、普段から毎日英語に触れる環境にいれば、徐々に慣れていくものです。しかし日本国内にいると毎日英語に触れることはむずかしいでしょう。
英語耳を育てるおすすめオンライン英会話
英語耳を育てたい!と思ってもいざ何からスタートすればよいかわからないですよね。そこで以下ではおすすめのオンライン英会話スクールを紹介します。
それぞれメリットが異なるので、まずは無料体験レッスンを受けてみて、自分やお子さんに合ったスクールをみつけてみてください。
GLOBAL CROWN
グローバルクラウンは、日英のバイリンガル講師がレッスンをしているところがポイントです。どうしても伝わりづらい表現がある場合は、日本語でサポートが受けられるので、子どもはもちろん、一緒にレッスンを受ける保護者の方も安心できるでしょう。
特に英語に苦手意識を持っている保護者の方に選ばれています。
グローバルクラウンのレッスンは1回で20分。幼児が集中できる最長時間は20分とも言われているので、最も効果的な時間設定と言えるでしょう。
少し大きくなってからは、英検やリーディングなどの対策も可能です。年齢に応じたレッスンを展開してくれ、保護者へのオンライン面談など、サポート体制も充実。
対面の英会話教室と同様か、それ以上のサポートが魅力です。
サービス名 | 子ども専用オンライン英会話【GLOBAL CROWN】![]() |
運営会社 | 株式会社ハグカム |
対象年齢 | 3歳~12歳 |
無料体験レッスン | 2回 |
レッスンのツール | 専用アプリ |
レッスンの予約 | 予約なし・時間固定 |
レッスンのキャンセル | なし 振替が可能 |
レッスン体系 | 個別 |
英検対応 | あり |
料金 | 月額8,360円/月~週5回21,450円/月レッスン回数に合わせて3つのプラン・15の料金設定 |
講師 | 日本語と英語が堪能なバイリンガル |
QQEnglishキッズ(QQイングリッシュ)
QQEnglishキッズは3歳から12歳を対象とした英語学習サービスです。
QQイングリッシュは中学生コースやセブ島、留学コースなど大人までフォローできるカリキュラムを展開しているため、小学校を卒業しても英語を学び続けることができます。
キッズ部門のポイントは、子どもを教える専門的なトレーニングを受けた講師がレッスンをしてくれるところです。独自に開発されたゲーム機能などがあるアプリを使ってレッスンをするので、子どもたちも集中力を切らさずにレッスンを受けられるでしょう。
レッスンを録画できる機能があり、レッスン中に保護者が近くにいなくても習熟度を後から確認することができます。忙しい毎日のなかで、子どもに効果的なレッスンを受けさせたい人にぜひおすすめしたいサービスです。
サービス名 | 【QQキッズ】こども専用オンライン英会話
![]() |
運営会社 | 株式会社QQEnglish |
対象年齢 | 3歳~大人 |
無料体験レッスン | 2回 |
レッスンのツール | 専用アプリ |
レッスンの予約 | 2週間前から当日レッスン15分前まで |
レッスンのキャンセル | レッスン開始12時間前までは無料でキャンセル |
レッスン体系 | 個別 |
英検対応 | あり |
料金 | 月額2,980円(税込)~レッスン回数に合わせて加算 |
講師 | 400名近くのネイティブ講師 |
ワールドアイキッズ
ワールドアイキッズは小学校6年生までを対象としたオンライン英会話スクールです。
ワールドアイキッズの大きな特徴は、折り紙や工作、ダンス、塗り絵などお子さんが好きなものを通じてレッスンを展開できるところです。自分が好きなものを遊んでいる間に英語に触れられるので、お子さんが英語嫌いになったり、レッスンを嫌がったりすることを防げます。
- 英語に興味を持たせることがむずかしい
- レッスンの間中パソコンの前に座っていることができない
オンライン英会話サービスに対して、そのような悩みを持っている方におすすめしたいサービスです。
レッスンを行ってくれる講師はすべて外国人講師ですが、日本語のトレーニングも受けているため、レッスンでわからないところがあれば、日本語でサポートが受けられるところも魅力のひとつ。
外国人講師とのレッスンに不安を抱いている保護者の方も、安心して利用できるでしょう。
サービス名 | ワールドアイキッズ
![]() |
運営会社 | 株式会社アイプロダクト |
対象年齢 | 3歳から6年生 |
無料体験レッスン | 2回 |
レッスンのツール | Zoom、Teams |
レッスンの予約 | 朝6時から夜24時まで |
レッスンのキャンセル | 予約時間の30分前まで |
レッスン体系 | 個別/グループ |
英検対応 | あり |
料金 | 月額2,450円(税込)~10,780円(税込)レッスン回数に合わせて6つのプランを展開 |
講師 | フィリピン 一部日本語ができる講師も在籍 |
英語耳は何歳でも鍛えられるが幼少期が効果的
英語耳を育てられる臨界期は、かつて考えられてきた「10歳ごろ」より実際は長いことが解明されました。それでも17歳ごろまで、ということで、より早期に英語に触れることが重要であることは変わらないといえるでしょう。
子どもの英語耳を伸ばしたい、英語で苦労させたくない
そう考えている保護者の方はぜひ、手軽で安価に始められるオンライン英会話スクールから初めてみてはいかがでしょうか。